浴衣選びは、とても楽しいですよね。
しかし、洋服とは違い、夏の時期に限定されるため、
夏が来るのが楽しみでもあり、浴衣選びは少し慎重にもなります。
浴衣を選んでいると、商品タイトルのところに、
「綿絽の浴衣」「綿紅梅の浴衣」「注染の浴衣」などと書かれてあります。
何の事でしょう。今回は、浴衣の素材についてご紹介します。
「綿絽の浴衣」「綿紅梅の浴衣」「注染の浴衣」等とは、
浴衣の素材、素材の加工についての表記です。
浴衣に多い素材、それぞれの特性についてご紹介します。
最近の浴衣の素材は、
「綿・麻・綿麻・ポリエステル」これらの素材が多く見られます。
代表的な浴衣の素材
- 綿素材
さらりと肌触りが特徴の綿素材は、
綿絽、綿紅梅など高級感ある織り方や、
「注染」「絞り染め」など、染の種類も豊富であり、
見た目、着心地、価格も変わってきます。
1⃣コーマ生地
最もよく使われるシンプルな木綿生地。
高度に精練された木綿糸(コーマ糸)を使用。
2⃣綿絽(めんろ)
からみ織物の一種。
平織に経糸の一部をからませて透目をつくった織物。
コーマ生地より軽く、風を通し涼やかで、
絽織りは透け感があり見た目も涼しく、
高級感があり大人の浴衣を演出してくれます。
3⃣綿紬(めんつむぎ)
節のある木綿糸を使用。
蚕の繭から糸を繰り出し、撚りをかけて丈夫な糸に仕上げて織ったもの。
4⃣綿縮(めんちぢみ)
綿糸に撚りをかけたシャリ感のある風合い。
経糸に普通撚りの綿糸、緯糸に強撚の綿糸を用いて、
表面にしぼを現した平織の綿織物。
紬独特の凹凸の手触りが味わえ、風通しがよくとても肌触りがよい浴衣です。
5⃣綿紅梅(めんこうばい)
太めの糸で格子状の凸凹を織り出した高級浴衣素材の一種で、
格子状に太い糸を織り込んだ生地に型染めしたもの。
異なる糸の太さを組み合わせて格子状に織るので、生地に凸凹が出来ます。
涼しさを感じさせてくれる綿織物です。
6⃣絹紅梅(きぬこうばい)
絹と綿の交織素材で、浴衣の最上級と言われています。
- 麻素材
麻の浴衣は、高級感があり通気性に優れています。
上級者向けと言われる事が多いですが、
夏独特の素材の風合いであり、見た目も涼し気であり、着ていてもとても涼しい素材です。
- 綿麻素材
綿と麻の交織素材で、着心地抜群です。
- ポリエステル素材
ポリエステルは、最近人気のある素材です。
速乾性や吸湿性に優れています。
綿よりも発色がよく、くっきりとした柄と華やかな色が特徴です。
水濡れなどの色落ちもしにくく、家で洗濯が出来、アイロンもほぼ不要です。
代表的な染めの種類
1⃣注染(ちゅうせん)
明治20年代に始まった伝統ある染料を注ぎ込む染色技法の事。
特徴は、染料が布を通り抜けて染まるので、柄がくっきり鮮やかに表現され、涼しげな印象になります。
2⃣先染め
糸を染めてから織物を織る技法。
3⃣絞り染め
デザインに合わせ、布を糸で括ったり、縫ったり、板で締めつけたりなどをして染め、
糸を抜いたときに染まらない部分が白く残って、様々な模様を作り出す染色の技法のこと。
糸を括る技法が100種類にも及び、その数は世界一と言われています。
●「有松絞り」「鳴海絞り」(ありまつ・なるみしぼり)
愛知県名古屋市緑区の有松・鳴海地域を中心に生産される絞り染めの名称。
江戸時代以降日本国内における絞り製品の大半を生産しており、
国の伝統工芸品にも指定されており有名です。
絞り独特の凹凸感があり、通気性や風合いも良く、
見た目の美しさと、着心地の良さは抜群です。
まとめ
夏の浴衣は、見た目に美しいだけでなく、
素材の風合いも良く着心地も抜群です。
日本伝統の浴衣の素材、染めの技法など、少し知識を知り、
職人の丁寧な伝統技を堪能できるのも浴衣の魅力です。
ワンランク上の浴衣美人を目指していきたいものですね。